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東北3days② ~石巻、女川、南三陸町、気仙沼へ~

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こんなに恐ろしい風景を私は見たことがあっただろうか。
写真で見た事はあっても自分の目で見た事は初めてだ。
今までこの耳で、この肌で感じたことはあっただろうか。

巨大なハエがうようよ飛んできて車がドアを開けるたび入ってくる。
目が痛くてあけれない。転んでしまいそうな足元。喉が痛む。
町中に水溜りが出来て魚が泳いでいる。その日の町の気温は37度だという。
鼻をつんざく腐ったようなにおい、焼けて焦げたにおい、
そしてそこに微かに混じった線香の匂いと死臭。

瓦礫の山の向こうに広がる何事もなかったように碧く波ひとつない穏やかな海が微笑む。この町がどんなに美しい町だったか容易に想像できる。
あまりの壮絶さと規模の大きさにどこから手をつけたらいいのかわからない。
とにかく言葉がなく、無力感と吐き気が私を襲う。
辛くて辛くて胸が張り裂けそうだ。このまま泣き崩れてうずくまってしまいたくなる。
3・11前の世界にどうやったら戻れるのだろう。私はどうしたらいいのだろう。


********************


福島に行ったあと、どうしてもいてもたってもいられなくって、
東京に帰ったあとすぐにヘンダを乗せて東北へ向かった。
地図も持っていなかったし、ETCカードとガソリン代程度のお金しか持っていなかったけれど、石巻にも縁が深い友人ピアニストO子に、
「ボランティアとかに縁がなくってもいいから、とにかく被災地行った方がいいよ。
まずは見て感じた方がいい。テレビとはまったく違うから。」と言われたことや、
同じく気仙沼に縁が深いA子先輩が
「まず行った方がいい。お喋りするだけでもいい。悲しみに寄り添ってあげること、そして忘れていませんよということを伝えてほしい。」とそんなようなことを話していたことを思い出し、とにかく感じたくて、後先考えず石巻へ向かった。
途中車中二泊をしながら石巻、女川、南三陸町、気仙沼へと車を走らせた。
ずいぶん瓦礫は撤去されたとテレビでは聞いていたがそうではなかった。
テレビでは感じられなかった現実と惨状。家が転がり橋や線路は分断されて、
病院の入口に胴体のないトラックの頭が突っ込んでいた。
ガラスはすべて割れそこは鳥たちの巣になっているのかたくさんのさえずりが聞こえた。
病気の身で逃げるのはどんなに大変だったろうか。
そして医者や看護婦という心の優しい職業の人たちはその中でもきっと患者を優先させ、奔走したのであろうと想像しながら体が震えた。
ヘンダは傍らで静かに泣いていた。

行く先々で地元の人たちとたくさん話をした。
津波が直線で押し寄せてきたこと、家が壊れていく町の音のこと、
亡くした両親や友人たちのこと。
でもとにかくみんな全国のボランティアさんたちに感謝をしていた。「自衛隊が機械で瓦礫撤去してるときもあの人たちはスコップひとつで頑張ってくれたんだよ。」と。
そして「頑張っぺ!」という言葉をあちこちで何度も聞いた。
「今度はボランティアさんたちにボランティアしてあげたい」とも。

歌津町のガソリンスタンドのおじさんが
「ここは廃村になるんだ」と言った言葉が忘れられない。
最近のテレビではまるで何事もなかったような平和ムード一色だけど、まったくそんなことはない。まだまだ何年もかかる気が遠くなるほどの道のり。
忘れてはならない。というか一度見たら忘れられない。
「みんなにこの風景を見てもらいたい。忘れてほしくない。風化しないでほしい」とも言われた。とっても難しい言葉だけど、敢えて「頑張ろうね!」と声をかけたいなと思った。
これは夢でもない。他人事なんかじゃない。
東北の地が復活するまで想いを寄せて私も頑張っていこうと思う。
O子さんとA子さんの言うとおり。来てよかった。近いうちにまた来よう。今度はスコップをもって。微力ながらでもお手伝いできたらうれしい。

こうして布団がある場所で寝られること、
温かい食事があること、好きな人たちと笑って過ごせること、
そして健康で過ごせること。それらがどれだけ素晴らしいことか。

津波の前にはどんなセレブもお金も学歴も地位も権力も関係ない。
経済活動の話なんてまったく通用しない。
それらにしがみついていてもまったく意味のないことだ。

3・11以来、私たちに大切なことは何かを突きつけられ続けている気がする。
その人となりの生き方、価値観が丸裸にされているような瞬間の連続。
きっと多くの人たちが友人達との付き合い方が変化しているのではと想像する。

惨状を目の前にするたび私たちは無力感に包まれ苛まれる。
「自分には何にも出来ない」と。
でも「何をすべきかではなく何をせざるをえないかで行動した方がいい。」
若きお友達7子ちゃんがそんなことを言ってた。
そう、気持ちでやればいい。ひとりひとり出来ることを一生懸命やればいい。
きっとなにかできる。私にもそしてみんなにも。
まずは行動。だから行動し続ける人たちを批難してはならないと思う。
あきらめないで行動し続けていれば黒から白へオセロゲームのように
裏返っていくはずだと私は信じている。
心を尽くして寄り添っていこう。頑張っぺ東北!頑張っぺ私たち!
by lalaleene | 2011-07-18 03:55 | Trackback

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